法人の移転のリアルな日数と流れ。リアルなタイムテーブルを公開
先日、当社は移転した。
それまで利用していた小規模法人用のレンタルオフィスを解約し、ついに賃貸物件へと入居したのだ。
ベンチャー企業にとって移転は一世一代の決断であるし、法人の移転に事前にどれくらいの費用、日数がかかるのか調べておこう!と思って僕もいろいろと調べてみたが、ほとんど参考になる情報はなかった。
たとえば、以下のようにざっくり書いてある。
「法人の移転には大体○○円、大体○○ヶ月の日数を見込んでおきましょう。」
まったく分かりません。
ということで、今後移転する予定の法人の方々のために、法人の移転のリアルな日数や費用、知っておいた方がいい豆知識を紹介しようと思う。
今回は法人移転にかかる日数(タイムスケジュール)編だ!
1.法人が引っ越す(移転する)までの流れと日数
- 不動産会社を決定する
- 不動産会社と打ち合わせ
- 物件巡り(内覧)
- 法人入居申し込み
- 契約締結
- 入居
上記が簡単な流れだ。
一見単純なフローだが状況によってはめちゃくちゃ日数がかかるし、実際当社は「よし移転しよう!」と思ってから入居まで8ヶ月くらいの日数がかかった。
1.不動産会社を決める(1週間~2週間程度)
法人が移転しようと思い立ったら、一般的にはネットで検索して、いい感じのところに問い合わせるのが主流だ。
しかしおすすめなのは断然「知り合いに紹介してもらう」ことだ。
取引先でも純粋な知り合いでもいいが、できれば顧問社労士や顧問税理士に紹介してもらうのがおすすめだ。
実際に当社も顧問社労士が同じく顧問を務めている不動産会社を紹介してもらった。
なぜおすすめなのか。
それはズバリ、
「顧問社労士の紹介なら手を抜かない」
からだ。
お世話になっている社労士の期待を裏切りたくないという想いと、社労士の「お客様にお客様を紹介することで恩を売っておきたい」的な考えがうまく融合し、
不動産会社の中でも優秀な営業マンを付けてくれ、結果的に良い条件で引っ越しが叶うのだ。
※全部が全部そうとは言ってません。参考程度に。
上記の紹介が叶わない移転希望の法人の方は、ネットで検索してよさそうな不動産会社に連絡すれば問題ないだろう。
何なら僕が実際にお世話になった不動産会社を紹介するので連絡してください。(都内限定)
2.不動産会社と打ち合わせ
移転を依頼する不動産会社が決まったら、まずは最初の打ち合わせをする。
依頼してから1週間以内には担当者の方がいらっしゃるだろう。
ほとんどの場合、担当に決まった法人担当の営業マンの方が来社してくれ、打ち合わせを行う。
そこで、希望の条件を伝えるのだ。
ちなみに当社は移転に際して、
- どれくらいの広さが必要なのか
- どんな場所が良いのか
- どこが家賃が安いのか
- そもそも相場はどれくらいなのか
さっぱり分からなかった。
そのことを正直にお伝えし、先方からの提案を待つという戦法をとった。
3.物件巡り・内覧
さて、打ち合わせが終わると1週間くらいで不動産会社の人から物件の候補がメールで送られてくる。
その中から気になるものをピックアップし、担当者の方に伝えよう。
すると、その物件たちを効率的に巡れるように不動産会社の担当者がいい感じの日程とルートを提案してくれるのだ。
ちなみに、1日2-3件(1時間程度)の日もあれば都内をぐるっと見るということで1日8-10件(朝から夕方まで)という日もある。
どの物件がどんな内装だったか、などは忘れてしまうので、必ず写真を撮るのとメモをとることをおすすめする。
実は法人のオフィス移転で最も時間がかかるフェーズはこの内覧だ。
ここで1発で決めてしまえばあとは申し込むだけだし、なかなか納得のいくものがなければその分日数がかかる。
ちなみに弊社はこの物件巡りに合計で半年を費やした。
(途中で「やっぱりもう少しいい物件が出るまで待つ」と言ってしまったこともあり‥)
このフェーズの日数が最短1ヶ月、最長6ヶ月だ。
4.法人入居申し込み
晴れて良い物件が見つかったらいよいよ申し込みだ。
しかし、申し込んだからといって必ずそこに移転できる訳ではない。
法人の移転には以下のようにいくつかの壁を越える必要がある。
- オーナー側の許可
- 競合の存在
- 家賃交渉
- 保証会社の有無
それぞれについては別記事で詳しく解説するが、申し込みの流れは以下の通りだ。
①不動産会社が用意してくれた『法人入居申込書』を記入し、不動産会社にオーナーさんに提出していただく。この際、希望の家賃を記入して提出する。
②申込書を見たオーナーさんから追加資料の提出を求められる(法人の事業紹介資料、過去数期分の決算書類など)ので、用意して提出
③他社からも同時に入居申し込みがあった場合、オーナーさんが比較検討して最終的に入居してもらう方を決定する
④オーナーさんに選ばれれば移転決定!
※競合の存在の有無、保証会社申込の有無、オーナーさんとの面談の有無などは、その物件によって異なる。ただし、これらの要素が加われば当然日数もかかる。
内覧終了から1週間以内に申し込み、返事は1~3週間後にオーナーさんから頂けるはずだ。
5.契約締結
さて、オーナーさんから入居の許可が出たらいよいよ契約締結だ。
まずは移転日から決定し、入居日の1~2ヶ月前に契約を締結するパターンが多い。
契約書はオーナーと不動産会社で用意してくれ、実際に契約に立ち会うのは不動産会社の担当者の方だけだ。
当社はオーナーとは一度も会うことはなかった。(未だ会ったことはない)
ちなみに契約締結の段階で、契約締結月に月末までに「保証金、礼金、初月の家賃、仲介手数料など」を全額振り込む必要がある。
6.入居
さあ、入居日になったらいよいよ移転だ。
ただし、事前に移転作業などがあるはずなので、カギは移転日より前に貰えることが多い。交渉してみよう。
はー長かった、法人の移転はこんなにも時間がかかるのか、という感じだ。
2.法人移転までの日数・タイムテーブル
さて、今までのフェーズを日数だけ抜き出すとこんな感じだ。
不動産会社を決定する(1~2週間)
↓ 1週間後
不動産会社と打ち合わせ(1日)
↓ 1週間後
物件巡り・内覧(1~6ヶ月)
↓ 1週間後
法人入居申し込み(1日)
↓ 1~3週間後 ※競合の有無やオーナーさんの検討期間による
契約締結(1日)
↓ 1~2ヶ月後
入居
つまり、法人の移転には最短で3ヶ月と1週間程度、最長で10ヶ月程度の日数がかかる。
ただし、全てのフェーズが最長の日数がかかるのは考えずらいため、実際には最長でも8ヶ月程度だろう。
※実際に当社はぴったり8ヶ月だった。
ポイントは内覧の日数だ。ここが法人の移転において一番時間がかかるフェーズでもあり、日数を短縮できるフェーズでもある。
また、契約締結~入居の日数だが、物件によって前のテナントの退去日、原状回復にかかる日数などが異なる。原状回復まで済んでおり、即日入居OKの物件なら契約から2週間後に入居、なんてこともある。(当社がそうでした)
以上、法人の移転にかかる日数を解説した。
個人の引っ越しに比べて圧倒的に日数がかかるので、遅くとも半年前には準備を始めておこう。